大人のエネルギー
毎日、とけてしまいそうな暑さですね。
日中は外出するのに身の危険を感じます。。
コロナも猛威をふるっている事だし、
こんな時は家でピアノ弾いたり読書したりするのが良いですね。
さて、前回ご紹介した本、稲垣えみ子著、「老後とピアノ」を読み終わりました。
とても読みやすい文章で、興味深い内容なのもあり、すぐに読めました。
まず、稲垣さんは53歳からピアノを再開したとの事で、老後というには若すぎる!とツッコミをいれたくなります。
また、彼女は小学校最後の発表会でモーツァルトのきらきら星変奏曲を弾いたとの事。
この曲は、実はかなり難しいです。
子供の頃に恐ろしい先生について、嫌々ながらもだいぶ練習していたのでしょう。
そうでなければ、弾けない曲だと思います。
彼女は小学校でピアノはやめたけど、その時点でかなり弾ける方だった、という前提でこの本を読むのが良いかと思います。
だから彼女は、再開して一年でドビュッシーの月の光を弾くという目標を達成できているのです。
そしてその後数年で、ショパンのバラード3番とか音大受験生が弾くレベルのものまで到達している。
完成度はわかりませんが…。
なんというか、ヤル気になった大人のエネルギーって、すごいんですね。
少し前に話題になった、初心者の52歳のノリ漁師さんが、8年かけてリストの難曲「ラ・カンパネラ」を弾けるようになったというエピソードを思い出します。
いやいや、一曲に8年間、なかなか費やせないですよ。。しかも多い時は12時間て!
でも、初心者でもやればできるという事が証明されましたよね。
稲垣さんが初めて大人の発表会に出た時のエピソードがまた、まさにその通り!で面白かったです。
「会場のみんなのド緊張のエネルギーで風車を回して発電できる」と。
たしかに、大人の発表会って、それくらいのエネルギーを感じるのです。
子供の発表会とはまた全然違う緊張感があるんですよね。
これは、出演してみないとわからないと思います。
先生の言葉がまた良かった。
「自分もすごく緊張するタイプだけど、人前で3回弾いて、失敗もして、悔しい思いもしてやっとその曲が自分のものになる感じがする」と。
これはコンサートピアニストならではのお言葉。
プロのピアニストでも、緊張するし失敗もするし悔しい思いもしているのです。
それを何度も繰り返して、今でも緊張しているのです。
なんというか、兎にも角にも、ストイックな方のお話でした。
趣味でここまで頑張る人がいるかと思うと、私もプレッシャーを感じます。
きっと私の生徒さんの中にも、これくらいのモチベーションでやっている人がいるのです。
そしてそれが私や他の生徒さんのモチベーションに転化されて、私も練習頑張らねば!と、特に何を目指すわけでもなく頑張れるのです。
そしてそれが楽しいのです。面白いですね。
ただ、再開する時の状態は人それぞれ。
10人いれば10人分の、それぞれ違うピアノの歴史があります。
比べるのはナンセンスだし、マイペースでいけるのがピアノの良いところでもあります。
とにかく、それぞれに楽しいと思えるペースでやっていけるのが、大人のピアノ教室の良いところ。
発表会も、お勧めはしますが、参加は自由です。
大人の場合、悲しいけれど、いろんなところがだんだん衰えていきます。
今この瞬間が、一番若いのです。
ピアノに限らず、いつかやりたい事は、なるべく早めに取りかかった方がいいんだろうな、と改めて思いました。
大人になってゼロからピアノを始めた人の手記も読んでみたいです。
また違った苦労が、いろいろあるんだろうな。
2コメント
2022.08.12 08:33
2022.08.03 14:40